円錐を底面に平行にカットした立体、
立面図 (正面からみた図) が等脚台形となる立体を 円錐台 といいます。
この立体の体積を求める出題は多いので、公式として一般化しておきましょう。
それを導出する手順を解説します!
体積を求める方法

この立体は 円錐 から 円錐 を切り出したものだ,ということはわかりますね?
つまり,上の図において円錐台の体積 \(V\) は
\(V=(赤の円錐の体積) – (青の円錐の体積)\)によって求めることができます。
2 つの円錐の体積を求めるのに必要な変数は,
底面の半径 , 高さ
の 2 つです。
底面の半径はそれぞれ \(R\) , \(r\) と決まっているので,
高さを求めることを考えましょう。
2 つの ”高さ” を求める
上に挙げた 2 つの円錐 の高さを求めます。
高さを決定する変数は,\(R\) , \(r\) ,\(h\) 。
ここでは 相似 の考えを用います。

図のように 青の円錐 の高さを \(H\) とおくと,
\(H:(H+h)=r:R\) が成り立ち (三角形の相似),
\(r(H+h)=HR\)
\((R-h)H=r^2\) , \(H=\frac{r}{R-r}h\)
また \(H+h=\frac{rh+h(R-r)}{R-r}=\frac{R}{R-r}h\)
体積
体積は \(V=(赤の円錐の体積) – (青の円錐の体積)\) によって求めます。
赤の円錐 の体積 は
\(\frac{1}{3}\times { \pi } \times{R^2}\times{(H+r)}\)\(=\frac{1}{3}\times { \pi } \times{R^2}\times{\frac{R}{R-r}h}\)
\(=\frac{\pi R^3}{3(R-r)}h\)
青の円錐の体積 は
\(\frac{1}{3}\times { \pi } \times H \)
\(=\frac{1}{3}\times { \pi } \times {\frac{r}{R-r}h}\)
\(=\frac{\pi r^3}{3(R^r)}h\)
よって 円錐台の体積 \(V\) は
\(V=\frac{\pi R^3}{3(R-r)}h-\frac{\pi r^3}{3(R^r)}h\)
\(=\frac{\pi h}{3(R-r)}(R^3-r^3)\)
\(=\frac{\pi h}{3(R-r)}(R-r)(R^2+Rr+r^2)\)
\(=\frac{\pi h}{3}(R^2+Rr+r^2)\)
体積を求めることができました。
文字を使用し,”一般化” したものなので,
\(V=\frac{\pi h}{3}(R^2+Rr+r^2)\) は
円錐台の体積の 公式 です!
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